以前読んだ、変わった小説を紹介します。
少し変わった家庭事情を持つ家族と、その他の他人の家族との関わりを描くことで、家族の在り方が書かれています。
このお話の中で気になった文章を書きますので、ネタバレ厳禁の方はここでお帰りください。
ザ・藤川家族カンパニー あなたのご遺言、代行いたします (集英社文庫) [ 響野夏菜 ]
今ご覧になっているのは、ネタバレが平気な方のみでしょうか?
それでは、以下に気になった文章を載せます。
「葬式も遺言も、もしかすると生きてる人間のためにあるんだろうな」
…(省略)…
故人を忘れないため。そして忘れるため。
矛盾があるように聞こえるが、「忘れない」と「忘れる」は表裏一体だ。亡くなった大切な人を、大切な人だという気持ちはそのままに送り出すのだから。
そうやって切り離すからこそ、人は誰かの死を乗り越えられるのかもしれない。
響野夏菜「ザ・藤川家族カンパニー あなたのご遺言、代行いたします」集英社文庫、2013.12.20
家族というものは、とても身近で、とても難しいものだと思っています。
家族で選べるのは配偶者くらいで、その他は自分で選ぶことはできません。
家族の在り方を説明する上では、どうしても『矛盾』という言葉を使わざるおえない気がします。
血が繋がっている、繋がっていないに関わらず、どんな状況になったとしても助けたいと思うのは「家族」ではないでしょうか?
家族の中での立ち位置によって例外はありますが、家族じゃなかったらやってないだろうな…と思うことは色々とあります。
考えるのが苦痛になることもあります。
切っても切れないから、距離感を自分で調整していかないといけないですね。
世の中にはいろいろな方がいて、家族だからといって助けたいと思わない人も、家族だから搾取しようという人もいると思います。
いろいろな環境があれば、いろいろな人がいます。
私は家族に対してマイナスイメージもありますし、家族だから全て許されるなんてことは全然考えていません。
家族に関しての話は深い話になるので、表面的な表現しかできませんが、自分なりの距離感を見つけて関わっていくことを模索していかなければいけないなと思います。
辛かったら距離をおけばいい。
無理に関わらない方が見えてくるものがあります。
ただ、故人になったらもう関われません。
後悔する前に、自分のしたいようにすれば良いと思います。
未練があったら、送り出せるものも送り出せませんよね。
後悔のない関わりを続けてください。
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